特定技能「飲食料品製造業」制度のポイント

TOPトピックス|特定技能「飲食料品製造業」制度のポイント

目次

▼特定技能「飲食料品製造業」とは

▼受入れ可能な人材

▼業種・業務

▼特定技能所属機関(受入れ企業)の要件

▼特定技能人材の雇用形態

▼報酬

特定技能「飲食料品製造業」 受入れ可能な人材

特定技能「飲食料品製造業」は特定技能の中でも飲食料品の製造に特化した分野です。

特定技能としては「外食業」による資格も先行して運用が進んでいますが、「飲食料品製造」はそれに続く外国人労働者採用の大きな分野です。

特定技能「飲食料品製造業」 受入れ可能な人材

大きく分けて2パターンあります。

①以下の試験に合格した者  技能水準(試験区分)「飲食料品製造業技能測定試験」  日本語能力水準 「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」 ②飲食料品製造業分野の第2号技能実習を修了した者

【参考】食品関係の技能実習(2019年4月時点)

特定技能所属機関(受入れ企業)の要件

飲食料品製造業の特定技能1号外国人は、 飲食料品製造業全般(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生 

を行うことができます。また、上記の業務を行っている日本人が通常従事することとなる関連業務に対し、特定技能人材が不随的に従事することは問題ないです。関連業務とは 原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理の作業等を指します。

具体的には「日本標準産業分類」での下記7分類に該当する事業者が行う業務が対象です。

(1)食料品製造業 (2)清涼飲料製造業 (3)茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く) (4)製氷業 (5)菓子小売業(製造小売) (6)パン小売業(製造小売) (7)豆腐・かまぼこ等加工食品小売業

上記(1)食料品製造業は下記業種とされています。 ○畜産食料品製造業 ○水産食料品製造業 ○野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業 ○調味料製造業 ○糖類製造業 ○精穀・製粉業 ○パン・菓子製造業 ○動植物油脂製造業 ○その他の食料品製造業 (でんぷん、めん類、豆腐・油揚げ、あん類

   冷凍調理食品、惣菜、すし・弁当・調理パン、レトルト食品等)

また、飲料製造業である上記(2)(3)には「酒類」の製造業は含みません。

菓子・パンについては、食料品製造業だけでなく、上記(5)(6)として製造小売も含んでいます。

菓子小売業(製造小売)は菓子を製造しその場所で小売する業です。 パン小売業(製造小売)はパンを製造しその場所で小売する業です。 町中のケーキ屋やパン屋でケーキやパンを製造小売する業を考えればよいでしょう。

全体として「酒類」や「塩」の製造以外の飲食料品製造全般が含まれることになります。

特定技能所属機関(受入れ企業)の要件

特定技能所属機関とは外国人労働者と直接雇用契約を結ぶ企業です。 つまり、外国人労働者を募集・採用し雇用する事業者です。

特定技能所属機関へは、下記の条件が課せられています。

農林水産省「 飲食料品製造業分野における 外国人材受入れ拡大について 」より引用

特定技能所属機関(=受入れ事業者)に対して特に課す条件  ア 特定技能所属機関は、農林水産省、関係業界団体、登録支援機関その他の 関係者で構成される

  「食品産業特定技能協議会」(以下「協 議会」という。)の構成員になること。  イ 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。  ウ 特定技能所属機関は、農林水産省又はその委託を受けた者が行う調査等に対し、必要な協力を行うこと。  エ 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実 施を委託するに当たっては、

  上記ア、イ及びウの条件を全て満たす協議会の構成 員となっており、かつ、農林水産省及び協議会に対して

  必要な協力を行う登録支援機関に委託すること。

特定技能人材の雇用形態

雇用形態は直接雇用です。 派遣雇用は認められていません。

報酬

基本的に日本人と同等な報酬を支払います。 もちろん、能力による調整は可能ですが、外国人だからとして低賃金の報酬にすることはできません。

また、雇用に先立ち受け入れ企業は「特定技能外国人の報酬額が日本人の報酬と同等以上であることの説明文書」を作成してこれを外国人労働者に示す必要があります。

日本人と同等とは、日本人に対する賃金規定がある場合はそれを適用するということです。そうした賃金規定がなかったり、日本人が働いていない職場では、その地域の同様な業者における報酬が参考にされることになります。